これ以前は、「しんちゃんの舞台裏日記」をご覧ください。

2012年7月11日水曜日

第2回 被災地保育交流ツアー in 陸前高田

●2012年7月8日(日)出発

午後4時、三重県菰野町の役場から、「第2回被災地保育交流ツアー in 陸前高田」の一行が出発。
寸前に、親子で参加の予定だった人が、親戚のご不幸があり、急遽、欠席になり、ぼくを含めて、総勢13名のメンバーで出発です。
今回は、保育士さんだけではなく、一般の人も2名、参加されています。そのうち、男性が1名です。


1000キロ先の陸前高田に向けて、いざ、出発!

続々と集まってくる参加者の緊張感をやわらげてくれるのは、爽やかな天気。見送りに来てくださった皆さんに手を振って、いざ出発。
車内では、あっという間に打ち解けあい、ステキな一体感ができあがりました。

●2012年7月9日(月)初日
バスは、一晩中、走りづめで、12時間後の朝4時に、岩手県の長者原SAに到着。
洗面をしてから、再び出発。一関ICから高速道路を降りて、国道を走り、海側の陸前高田へ。

かつての町の中心部だった、津波でさらわれてしまったところを通ります。未だ、息をのむ光景です。
でも、お店も増えました。確実に、着実に、前に進んでいるです。


かつての中心街は、未だこの通り。


山のようなガレキがいくつもあります。

参加者の皆さんを、各園、1名・2名ずつ降ろしていきます。
どの園も、陸前高田の先生方は、みんなウェルカム。
なんで、みんなこんなに優しいんだろうと、グッときます。
ぼく自身は、被災地に来始めた、1年4ヶ月前を思い出し、ウルウルきていました。
みんな、本当によくがんばってるよね。陸前高田の先生方も子どもたちも。

参加者全員を、各園に送り届けたあとは、ボランティアセンターに行って手続き。
今回は、ボラセンの人に、いろんな面でお世話になりました。
この地で、いろんな活動をしていると、いろんな人と強くつながっていきます。ボラセンとのつながりも、その流れです。

その後、ぼくは、陸前高田市の福祉課がやっている、就学前の障害をもった子たちをサポートしている「ふれあい教室」にうかがいました。
ここは、6月に実施した「絵本摘み取りフェア」の会場ともなったところで、職員の先生方には、何から何までお世話になりました。
そのときのお礼も兼ねて顔を出すと、一組の親子が来られていたので、ぼくも一緒に遊ばせていただきました。
先生方とお母さんの努力で、子どもたちは、いろんなことができるようになってきます。
ぼくは、飛び入り参加で、絵本を読ませていただきました。
「わぁ、反応してる」「ちゃんと聴けてるね」。
喜んでいただけて、よかった。
職員の先生が、「しんちゃんは、まだ子育て支援センターは行ってないよね」と、連れて行ってくださいました。
お役に立てるところが増えて、喜んでくださる人が増えるとうれしいです。

その間、参加者の皆さんは、各保育園で、充実した時間をおくりました。


2度目の参加者は、うれしい再会です。


初参加。しかも一般男性。きんちょー!


日常の作業もそつなくこなします。

午後2時から3時半の時間に、各園をまわって、参加者の皆さんをピックアップ。
前回同様、皆さんとろけるような笑顔でした。
保育士資格をもたない一般参加の方々も、本当にステキな笑顔でした。

夕方、神田ぶどう園へ。
ぼくが陸前高田に来るようになったきっかけとなったところです。
震災当時、ここの若夫婦のお子さんは、3ヶ月でした。
今は1歳6ヶ月。かわいい、かわいい、看板娘に成長しました。


ぶどうの実がなり始めています。


みんなで、ジュースの試飲、ジャムの試食。おいしさに感動!


心を込めてつくってくれた商品を、お土産に買わせていただきます。


できたばかりの壁画の前で、記念撮影。

神田ぶどう園の道路から見える壁に、ステキな絵が描かれています。
東京の人が描かれたそうです。
ちょうど、今日、足場を外したばかり。
その絵の前で記念撮影。
撮影してくれたのは、偶然、知り合った地元の大友さん。
大友さんは、この写真を全員分プリントして、夜に宿に持って来てくれました。
ステキな人と、またつながりました。

宿に移動する途中に、コンビニに立ち寄りました。
偶然、ボラセンでお世話になった伊藤さんとバッタリ。
伊藤さんのボラセン以外の活動も知ることができました。
つながりの広がりは、加速しているようです。

宿は、地元の人や、ボランティアの人が、よく利用する鈴木旅館。
日帰り温泉、素泊まり専門です。
女性陣は、大広間で寝ていただきます。
修学旅行みたいで、さらに一体感が増しています。
ベテランの先生が、こうおっしゃっていました。
「同志という感じですね」と。そうです。我々は同志なんです。
疲れと興奮に包まれた体を休めます。


寝るのもみんなで一緒。さらに一体感が増します。

鈴木旅館さんのお孫さんは、保育園に行っていて、ぼくのことも知ってくれています。
6月に行なった絵本摘み取りフェアにも来てくださいました。
実家に戻ったような気持ちになる旅館です。

●2012年7月10日(火)最終日
今日もいい天気です。
今日は最終日。昨日と同じ保育園に行ってもらいます。
旅館を出発!


今日もみんな元気です!

前回は、移動のの関係で、一日だけの保育交流だったのですが、今回は2日にわたってうかがいます。
子どもたちからしたら、もう一回、来てくれるなんて、とってもうれしいだろうな、と思って、こういう日程にしたのですが、とってもうれしかったのは、子どもたちにも増して、参加者の皆さんの方でした。
各園にそれぞれの参加者の皆さんを降ろしていくと、子どもたちは、駆け寄ってきたり、「また来たの」とうれしそうにしていたり。
これは、双方にとって、うれしい瞬間ですね。

お昼前には、各園に迎えに行きます。
どの園でも、子どもたちと、そして、先生方との別れを惜しみます。


馴染んでいます。


また来てね。


園庭で花道をつくってくれました。


今日のこと、忘れない。絶対に。


乳児クラスは、テラスから手を振ってくれました。


子どもたちは、園庭を駆けていきます。


金網にしがみついて、「バイバ~イ!」


お世話になった園長先生との別れに、涙がこぼれます。


またね。


またくるよ。


えっ!プレゼントくれるの!


バイバ~イ!


また来てくれるよね。


ありがとう、みんな。


ありがとう!!


また来てね。

子どもたちが、歌を歌ってくれた園もあれば、花道を作ってくれた園もあります。どの園でも子どもたちは、「また来てね」と。
参加者の皆さんの多くが涙ぐんでいました。

今回の企画の狙いは、
1)子どもたちの笑顔は希望そのものであることを実感してもらう。
2)人のつながりの濃さを実感してもらう。
どちらも、十二分に満喫していただけたと思います。


参加者の皆さん、本当にステキな表情です。

帰りのバスの中は、大盛り上がりでした。
手遊びなどのネタを披露しあったり、ベテランの先生の深い話を聞かせていただいたり。
ぼくは、即興でつくったおはなしを披露させていただきました。
それはそれは、濃い時間でした。


腹話術を披露!


絵本を読みます!


手遊びをします!


みんなで手あそび。

帰りの道中も順調で、夜中過ぎに、菰野町役場に着きました。
担当課の課長さんが、正面玄関の電気を点けておいてくれました。
最後まで、人のあたたかさを感じたツアーでした。

ぼくが、ずっと感じ続けている、“子どもたちの笑顔は希望そのもの”という感覚を、参加者の皆さん全員に実感していただけたと思います。
こういう感覚をもった人が、それぞれの職場で、それぞれの日常で、フィードバックしていただければ、日本は、確実に、着実に、よくなっていくと信じています。
そして、間違いなく、日本の未来を考える人が、増えています。

今回のツアーも、大成功でした。


ブックドクターしん

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