岐阜県美濃加茂市のたから幼稚園 にうかがいました。
昨年、ぼくの講演を聴いてくださった、たから幼稚園の先生方と意気投合。
今年の4月には、保護者の皆さんへの講演をさせていただきました。
そして、ようやく今日、子どもたちに絵本が読めます。
こちらからお願いしてでも絵本が読みたい。そういうステキな幼稚園です。
午前中に園に到着すると、園庭では、子どもたちと先生方が、それぞれ好きな遊びで 楽しんでいます。
スリッパの子もいれば、裸足の子もいます。
不思議な光景でした。
300人を超える大所帯なのに、そういうことを感じさせないくらいゆったりしてい るんです。
子どもたち同士の遊びを見ていても、キィーキィーしたところがありません。
しばらくしたら、ひとりの先生がマイクを通して、「みなさん」と一言しゃべると、 みんな、立ち止まって職員室の方を自然に向いています。
そして「おかたづけをしてくださ〜い」と言うと、なんと、先生方が指示をしなくて も、子どもたちがそれぞれお片づけを自然にやっているんです。
その後、水道やタライの水で、土で汚れた足をそれぞれが洗って、雑巾で足をふい て、部屋に入ります。
そこでは、子どもたちにいちいち指示をする先生はひとりもいません。
子どもたちが自分でやっているのです。
こっそりクラスを見てまわると、これまた自然な感じで部屋の中央に座っています。
最近は、この状態を作ること自体が大変な園が多いのに、いとも簡単にできているの です。
そして、いよいよ読みあそびの時間の始まり。
まずは、年少クラスです。
もう大盛り上がりです。それだけではなく、たっぷりと間が保たれるんです。
だから、たっぷりとおはなしを楽しめる。
すごい、すごい。
続いて、年中・年長クラス。
200名以上いますが、こちらも、大盛り上がりではあるのですが、おはなしの間が ちゃんと保てます。
一瞬にして、シーンという状況ができて、次にドカーンと大爆笑。
お見事、お見事。
本当に、素直で、落ち着いている子どもたちです。
その子どもたちの笑顔もステキでしたが、先生方の笑顔も、とってもステキでした。
ここの幼稚園は、絵本をとても大事にしています。
事あるごとに読み聞かせを行っています。
それが、絵本のおはなし単体で終わるのではなく、あそびにひろがり、生活につなが ったりしているのです。
何よりも、先生方が表情豊か。
この仕事を満喫している感じが、ヒシヒシと伝わってきます。
ほがらか絵本畑のミッションでもある「安心して、おはなしの世界であそべる子ども を、ひとりでも多く増やしたい」ということを、長年にわたり、実践されている幼稚 園なのです。
だから、保護者さんも安心するのでしょう。
ことさら宣伝しなくても、毎年、すぐにいっぱいになるそうです。
わかります。
ぼくも、居心地がいいので、ついつい長居をしてしまいました。
日本中に、こういう幼稚園、保育園が広がるといいのになあ、と思いました。
また、こちらからお願いしてでも、伺いたいです。
年少クラス。素直、素直。いつまでも遊んでいたい。
年中・年長クラス。おはなしの世界でたっぷり遊べるステキな子たち。
ブックドクターしん