北海道出張への移動途中、
福島県矢祭町にうかがいました。
矢祭町は人口6500人の小さな町です。
この町には、7年前、全国的に話題になった「矢祭もったいない図書館」があります。
この図書館の蔵書は、全国に図書の寄贈を呼びかけ、それらを町民ボランティア総出で整理してできた、人の善意が循環している図書館です。
そもそも、この図書館ができるまでは、町に図書館がなく、住民の要望を元にできたのがこの図書館です。
しかし、建物は何とかなっても、図書を購入する予算がつかず、そこで、考えたのが、図書の寄贈の呼びかけです。
なんと、それで集まった本が45万冊!
矢祭町がすごいのは、これだけではなく、町をあげて読書推進に取り組んでいることです。
大きな柱になるのは、6年前から始めた「子ども司書講座」と「手づくり絵本コンクール」です。
「子ども司書講座」は、小学校4年生から6年生が司書の仕事を学び、本に親しみ、読書の楽しさを伝えてもらおうと始めたもの。年15回ほどの講座で、所定の単位を取得すると、「子ども司書」に認定されます。
認定後は、町の読書活動を手伝う「読書推進リーダー」として活躍しているそうです。
1期生の子は、現在、高校生になっているそうです。
そして、「手づくり絵本コンクール」。全国から応募があります。
応募者は、単に受賞を狙うだけではなく、このコンクールをきっかけに、関わった人たちがどんどんつながっていくという、あったかさを兼ね備えたコンクールになっています。
例えば、第1回の最優秀賞の受賞者は、その後、矢祭町での絵本講座の講師に招かれたり、町のバスに絵を描いたりして、つながりが続いています。
ぼくが、今回うかがったのは、矢祭町で行なわれている、この「手づくり絵本コンクール」に興味があったからです。
担当の方に時間をとっていただき、いろいろとお話をうかがいました。
担当の下重さんは、物静かな女性ですが、熱い思いとやさしい思いをもたれている方で、ぼくもついつい夢中になっていろんなことを聞いていました。気がついたら、あっという間に2時間が過ぎていました。
矢祭町では、本を通じて、人とのつながりを大事にされている様子が、様々な形となって表れていることがよ~くわかりました。
とてもとても刺激になりました。
来てよかった。
ぼくの町でも、できたらいいなあ、手づくり絵本コンクール。
これが「矢祭もったいない図書館」
「矢祭もったいない図書館」には、人の善意が循環しています。
絵本を読む人・しんちゃん